カメラ片手の史跡めぐりが、退職後の楽しみという人は多い。浜松市在住の伊藤正士さんは昨年2月、78歳で史跡めぐりをテーマにしたホームページを開設した。それまで、まったく縁のなかったホームページとの付き合いを支えたのは、自宅近くのパソコン教室。講師との共同作業で、内容はどんどん充実している。
カメラと史跡めぐり
伊藤正士さんとカメラとの付き合いは、小学生の頃のピンホールカメラに始まる。
「ほら、見てください。昭和33年に生まれた長男のアルバムです」。1ページ目には誕生を知らせる電報と、気持ちよさそうに入浴している赤ん坊の写真が貼り付けられている。写真は白黒。
「今年80歳ですから、70年近く撮り続けてきたことになりますか」
30歳頃から始めた、趣味の史跡めぐりの時もカメラを持参。その時々の記録をとるつもりで、シャッターを切ってきた。
ホームページ作成へ
教員退職と共に、趣味の史跡散歩に出る機会がぐんと増えた。出かける前の「予習」と、帰ってからの資料作成、写真の整理は伊藤さんの極上の楽しみ。歴史の本や現地にある案内板などを参考に、パソコンを使って文章をまとめ、写真を入れて、レポートを作成する。海外旅行編もあり、地域の公民館などで写真展を開いたこともある。
「一昨年の11月に病気をしまして。きちんとした形で、この資料を残したいと思うようになりました」
「それならホームページにしてみては」との助言を得て、あちこちのパソコン教室を見学、本も各種買い込んだが、少しもはかどらない。投げ出しかけた時に、自宅近くに小さなパソコン教室を見つけた。「この教室の杉浦先生との出会いがなければ、完成しませんでした」。週2回通いながら、作成しているホームページのタイトルは、「遠州史跡めぐり」。
ホームページ作成は職人仕事
掲載に当たっては加筆訂正の作業を行い、写真が足りない場合は、改めて撮り直しに出かける。「年初のバスツアーで二度も行った遠州七福神めぐりなんですが、写真が足りなくて、ホームページのためだけに三度目の七福神めぐりとなりました」
伊藤さんの丁寧な仕事ぶりがうかがえるが、コースごとに記された簡単な案内は、初心者にとってありがたい史跡めぐりガイドとなっている。つい最近、「舘山寺温泉街散策」を完成させたばかりだが、次は「見付宿とその周辺」の史跡を掲載することになっている。
「トップページの一番下に付いているカウンターが、いつの間にか6000を超えました。どなたかは分かりませんが、自分が作ったものを見てくださっているんだと思うとうれしいですし、励みになります」と言う伊藤さん。自分で「史跡散歩記録作成職人」と称している。